のんびり鳥活+α日記

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~鳥とともに選択多きアラサーを駆けぬける~

ペットの入院と飼い主のエゴ ~マクロラブダスの恐ろしさ~

こんにちは。ぽすちです。

いつもは野鳥の写真を主にあげていますが、今日は私の飼っているセキセイインコについて書きたいと思います。

 

 

というのも、実は今、うちのセキセイインコのくうちゃんが入院しています。

 

1月下旬から体調不調となったり、良くなったりを繰り返していたのですが、先週末あたりからかなり具合の悪い状態に戻ってしまい、病院に連れて行き、迷いに迷って入院の選択を取りました。

 

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夏ごろのくうちゃん。この頃はとっても元気でした。

 

 

 

 

体調不良の原因となっているのは、鳥飼いさん達なら誰もが1度は聞いたことのある

マクロラブダス症(メガバクテリアです。

 

 

今回、マクロラブダスの恐ろしさを身にしみて感じていますので、

もし初めて鳥を飼う方や、これから鳥を飼いたいと思っている方、健康診断に行ったことのない方がこのブログを見ていたらぜひ参考にして頂けたらと思います。

 

 

 

 

*マクロラブダスとは?*

 

鳥の胃の粘膜に住み着くカビの一種だそうです。

健康な時は免疫が抑えていて症状が全く出ませんが、何らかの理由(換羽、ストレス、老化等)で免疫が低下すると途端に症状が出てきます。

 

主な症状としては、

・嘔吐

・下痢

・未消化便

・食欲消失  … 等

 

重篤な場合は死に至る病気です。

体が小さく、消化吸収が早い鳥にとって、このような胃の病気はあっという間に体力を削り命をも奪われてしまうのです。。。

 

 

感染源としては、雛のときに親鳥からエサを貰ったときや、一緒に暮らす仲間の鳥からもらってしまうことがほとんどだそうです。

 

 

 

 

 

*前提として*

うちのくうちゃんは5年半ほど前にペットショップで購入しました。

生後2カ月で、手乗りではなかったため、確か価格は2500円とかそのくらい。

(余談ですが手乗りだと6000円くらいしたような気がします。)

 

確か、購入する際にペットショップ側で検査を実施し、

感染症や体の異常はありません。健康な鳥です。というお墨付きを貰いました。

 

 

 

この言葉を信じてしまい、若鳥の頃に検査に行かなかったことが私の最大の失敗です。

 

くうちゃんはその後、ずっと家で過ごしており、他の鳥との接触はなかったため、飼い始めたときには既にマクロラブダスを保有していたものと思われます。

 

 

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挿し餌からではありませんでしたが、ちゃんと手乗りになりました。

 

 

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一緒に遊ぶことが大好きです。

 

 

 

 

くうちゃんはすくすくと成長し、5歳半の最近まで体調不良は1度もなく

よく食べ

よく遊び

そしてよくおしゃべりをする子でした。

 

実家に連れて帰ったときは、あまりにもずっとおしゃべりをしているので、親に『この子は自分の鳴き声が何かわからなくなっちゃてるんじゃないの?』と言われたほどです。笑

 

 

そんなくうちゃんですが、今年の1月に初めて体調不良に陥り、そして短期間で急激に悪化していきました。

 

 

 

 

 

 

*発症*

 

ある日、気づいたら羽を膨らませ、くちばしを背中にしまって寝ていました。

この時点で「あれ?」という気はしていましたが、ケージ内の温度を25℃程度に上げ、暖房をつけっぱなしで一晩様子を見ました。

 

翌日、いつも通り鳴いたり餌は食べてはいましたが、日中に突然嘔吐したのです。

 

 

発情したときの嘔吐とは明らかに違い、首を振りながら四方に餌をまき散らかし、苦しそうにえずいていました。

もうこれは決定的におかしいと感じ、病院に連れていくことにしました。

 

 

住んでいる場所の隣の市に鳥専門の病院があったので、電話してみると『予約1カ月待ちです。』とのこと…。

2年前にこの街に引っ越してきて、近くに専門の病院があるから安心!と思っていたのですが、私の下調べ不足でそこは予約のみの受付(しかもコロナの時期なので余計にかもしれませんが…)。

これもまた飼い主の失敗です…。

 

結局当日駆け込みで鳥を見てくれる病院を探し、車で30分ほどかかる病院へ夫に連れて行ってもらいました。

 

 

診断の結果、マクロラブダス症とのこと。

 

マクロラブダスは糞便から検出されるので、連れていくときにキャリーの下にキッチンペーパーを敷いて行くと、道すがら出した糞で検査をしてもらえます。

 

 

 

ひとまず自宅で飲水に薬を溶かし、飲ませる治療をするとのことで、

・抗真菌薬

・肝臓の薬

・ビタミン剤

の3種を処方してもらいました。

 

原因がわかり、ひとまず安心。

これできっと良くなると思い帰路に着きました。

 

 

ちなみにこの日はそのう液の検査、糞便検査、羽や足の以上がないか、心音は正常か等、初診で色々な検査をしてもらい、薬代含めて6000円くらいしました。

 

このとき、体重は39gで通常なので体重の減り的には問題ないとのこと。

 

 

 

 

*経過①*

 

くうちゃんは頑張って薬を飲んでいました。

とは言ってもセキセイはもとから乾燥地帯にいる鳥なので、ガブガブは飲みませんでしたが、朝昼晩と4~5口ずつは飲んでいました。

 

飲水として置いておくと飲まないのですが、人間が飲んでると真似して飲みたくなるらしいので、

人間用のコップで飲んだふりをしてくうちゃんにも飲んでもらいました。笑

 

 

1週間後、再診でどのくらいマクロラブダスが減ったか見てもらいました。

が、菌自体は減ってはいるが、まだ消滅していないとのこと。

再度1週間飲水に薬を溶かし飲んでもらう治療をすることになりました。

 

 

体重は40gありました。

段々元気を取り戻してきたように見えました。

検査費用は1600円ほど。

 

 

 

 

*経過②*

 

更に1週間後に見てもらったところ、まだマクロラブダスが検出されるのこと…。

 

ここがマクロラブダスの恐ろしいところで、若鳥の頃に見つかり早期治療ができるとすぐに治ることが多いのですが、くうちゃんのように中年で発見されると慢性化してしまい、薬がなかなか効きづらくなってしまうそうです。

 

 

 

こうなると飲水治療では難しいと先生が判断し、次は直接投与にしようかというお話だったのですが…

なんというタイミングか、私自信が妊娠しており、しかもちょうど臨月に入ってしまい、もしかしたら途中で来られなくなってしまう可能性があるという事態に…。

 

先生にその旨をお話したところ、では注射+飲水治療にしましょうと提案して下さいました。

注射は週に1回、計4回必要だそうですが、飲水治療も合わせることでもしかしたら早めに良い結果がでるかもというお話でした。

 

 

 

注射の時、くうちゃんはこれまで聞いたことのない叫び声をあげていました。

あの声を思い出すだけで未だに辛い思いをさせてごめんねという気持ちになります。

 

 

 検査費用+追加の薬代で2000円ほど。

 

 

 

*経過③*

 

注射を打った日はたくさん叫んで疲れたのかぐったりしていましたが、

翌日からは見違えるほど元気になったように見えました。

 

 

土曜日に打ってもらい日に日に順調に回復しているように見えました。

水曜日までは。

 

 

 

 

 

 

木曜日の朝、いつも通りおやすみカバーをめくると、そこには嘔吐したあとがありました。

本当に突然すぎて驚きました。

前日までは元気いっぱいで、ケージ内安静が不満そうに1日中ずーっとおしゃべりをしていました。

温度も28度程度を保ち、環境も何一つ変えていなかったのに、朝見たくうちゃんは羽を膨らませ、目をつぶってとても静かな様子でした。

 

 

そしてその日は運悪く病院がお休みだったこともあり、今できることをしようとケージ内の温度を30度以上にあげ、膨羽がおさまるように様子を見ました。

 

 

くうちゃんはくちばしをしまい、羽を膨らませ、1日中寝ていました。

たまに起きてきて餌を食べ始めます。食べた後は首を振って吐いたり、えずいたり…。

 

藁にもすがる思いで貰っていた薬を飲ませますが、指にのせると足が異常に冷たいのです。

そしていつもより軽い感じがしました。

 

 

翌日、病院に連れていくと、なんとまたマクロラブダスが増えているとのこと。。。

注射も薬もやっていたのになんで…。

そして体重が先週まで40gあった体重が34gしかなくなっていました。

 

 

 

2~3時間に1回餌をついばんでいたのですが、全部食べているフリだったみたいです。

食べられないのに殻をむいてみたり、食べたフリをするのは病気の鳥がよく取る行動だそうです。

 

鳥は捕食される側なので、ギリギリまで弱っているところをみせないという習性にプラスし、セキセイインコは集団行動を取る生き物なので、仲間にも弱っているところを見られると感染症を移される!と思われて距離を置かれてしまうそうです。

 

 

その結果、くうちゃんは私にも「元気だよ!ご飯も食べているよ!」と病気で辛いなかアピールしていたと思うと、気づくのが遅いバカな飼い主で本当に申し訳なくなってしまいます。

 

 

 

 

 結局、この異常な体重の減り方はかなり危険ということと、

週に1回の注射では効果が見られないので3~4日に1回の注射に移行したいということで、先生が入院での治療を提案してくれました。

 

 

入院のメリットとしては、

今餌を食べられていないこの状況なので、流動食で栄養を与えられること。

集中的に治療ができ、回復する可能性があること。

 

 

デメリットとしては、

回復しなかった場合、死に目に会えない可能性があること。

費用が高額なこと。(1日7000円程度×とりあえず1週間)

 

 

 

正直、とても迷いました。

費用とかはもう二の次でした。1番私を迷わせたのは、「死に目に会えないかもしれない」というところです。

 

5歳でここから回復するのか?

もし1匹で寂しく慣れない病院で亡くなってしまったら?

痛い思いを長引かせるだけにならないか? など…。

 

 

ただ、その時頭に浮かんだのが、あの食べられないのに食べたフリをし続けていた様子でした。

敵に狙われないため、仲間に置いて行かれないために死ぬ直前まで元気なフリをするのです。

 

死ぬまで生きたいんだなと感じました。

それなら、その生命力に賭けて治療をしてもらった方が良いのではないかと。

 

 

 

 

私は小学生の時から社会人になるまで実家でポメラニアンを飼っていました。

そのポメは、家族以外の人も犬も大嫌い。

病院など他の犬や人に会う場所に出かけると翌日はぐったりするほど吠え続けるような犬でした。

年齢が14歳になったときに変な咳が出るようになりましたが、家族で話し、ストレスがかかる環境に連れだすのではなく、大好きな家で家族とゆっくり過ごそうということに決めました。

 

結局、そのまま病院にはかからず、最期は自宅で家族全員に見守られながら天国に旅立ちました。

 

 

その判断は正しかったと今でも思います。

ただ、もう少し長生きできたら私の夫にも合わせることができたな。きっと呼吸困難になるくらいめちゃくちゃ吠えるんだろうな。体の毛ももっと白っぽくなって、日中はずっと寝ているような生活を送るんだろうな。

と、少しおじいちゃん犬になった姿を想像してしまうこともあります。

 

 

 

 

くうちゃんはまだどうなるかわかりません。

土曜日に預けて、昨日面会に行ってきました。

 

容体は変わらず、流動食も吐いてしまうそうです。

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まだ膨羽状態です。名前を呼ぶと一瞬だけこちらを見て、また目をつぶってしまいました。

 

 

 

 

 

 

入院前、今年の夏の写真です。

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たまにほっぺたカキカキさせてくれます。

 

 

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でもすぐに「やめろ!」と指を噛んできます。笑

 

 

 

 

こんなに手の上が大好きだったのに、先生が私と話すときに手を広げて説明してくれる動きを見て何度も『ビクッ!』としていました。

 

きっと注射や吐き気止めの点滴、更には流動食のための強制給餌などですごく辛い思いをしているんだと思います。

その様子を見て、本当に入院がよかったのかわからなくなりました。

 

 

私のこの判断が正しいか間違っているか、結局はペットの声は聞けないので、どちらを選んでも飼い主のエゴになってしまうと思います。

 

 

 

 今は回復を願い、ただくうちゃんの生命力を信じるだけです。

 

 

 

 

 

前述の通り、なんというタイミングか私の出産も迫っています。

1人での遠出は控えるように言われており、夫が休みになる次の土曜日まで会いに行けません…。

 

今回の入院の様子を見て、土曜日までに回復が見込めないようなら自宅に引き取ろうかと考えています。

 

その場合、看取りということになりますが、もし私のお産が始まり、私がいないときに万が一のことがあった場合、最悪の事態を想定して夫にこのように弔ってほしいということを共有しておきました。

 

 

1番の願いはこの1週間で回復し、自宅で私の赤ちゃんと一緒に春を迎えることです。

頑張れくうちゃん。

 

 

病院から容体が急変したという電話が来ないか毎日ビクビクしています。

 

 

マクロラブダスは元気なときは菌が検出されないこともあるそうです。

元気なときも、そうでないときも定期的にかかりつけ医に診てもらうことが大切だと痛感しました。

飼い主の怠慢のせいでこんなに辛い思いをさせてしまい、くうちゃんには本当に可哀想なことをしてしまいました。鳥飼い失格です。

 

 

もし今、若鳥を飼っていて病院に行ったことがない方は、若鳥のうちに1度マクロラブダスがいないか調べてもらうことをお勧めします。

普段はうるさいくらいに喋っているムードメーカーが弱っていく姿を見るのはとても辛いです。

 

慢性化する前なら早期治療で予後も良好です。

数年先の鳥ちゃんのために、今からぜひ検査をしてみてください!